- アンダーハンドパスもオーバーハンドパスもまっすぐ返せない…
- パスのやり方が全然わからない!
- パスのコツってどんなのがあるの?
こんな風に悩んでいませんか?
実際にスクールで子どもたちに指導をしていてもパスの悩みは本当に多いです。
パスは一番の基本ですから、バレーボールを楽しめるようになるためにもいち早く上達したいですよね。
そんなことを言っている僕もアンダーハンドパスをまっすぐ返せるようになったのは大学卒業時くらい。
オーバーハンドパスに関してはまともにできるようになったのはFC東京に入ってから(27歳くらいですね汗)だったと記憶しているくらい、かなりパスの上達には苦労をしました。
しかしそんな不器用な僕でもバレーボール日本代表として3年間プレーし、アジアのオリンピックと言われるアジア競技大会で優勝メンバーにもなることができました。
この記事ではそんな僕がどんなことを考えて上達することができたのかについて、実際の動作の順番に合わせてポイントを解説します。

ポイントを押えて、参考にできる部分はぜひ取り入れてみてください!
2022年12月より日テレさんが運営する「ドリームコーチング」にて、バレーボールの出張指導を始めました!ぜひご利用ください(^^)
パスの基本とコツ①:正しく構える
パスをするにはまずはボールを触るためにボールの落下点まで移動をしないとですね。ゆっくりしていたらボールが落ちてしまうので素早く移動することが大切です。
素早く移動をするためには「正しく構える」という事前準備が必要で、ポイントは下記の3つです。
構え方のポイント
- 足の位置
- 膝の曲げ具合
- 手の位置
それぞれ解説します。
足の位置
足は肩幅より少し広く開いてください。
移動の原動力となるのは足なので、とても重要です。
肩幅より少し広く開くといっても、決まった幅があるわけではないので足幅は狭すぎず、広すぎなければOK。
足幅が狭すぎても広すぎても素早く動き出すことができないことはきっとあなたも感じていることだと思います。
膝の曲げ具合
素早く動き出すために膝は適度に曲げておくとことが重要です。
移動するときは一番最初に床を蹴る(=強く踏む)動作をしますが、膝を曲げておかないと床を蹴る動作をするのに無駄な時間がかかって反応が遅れてしまいます。
なので、「構えの段階で自分が素早くスタートを切れると感じている膝の曲げ具合にしておく」と考えておいてください。
手の位置
手は脇をしめて胸の高さにあればOKです。
「脇をしめて」というのは、スタートを切ったあとに腕を振りやすく移動のスピードが出せるから。
そして「胸の高さに」というのは、自分に向かってボールが飛んできた場合に上に来たらオーバーハンドパスでとる、下に飛んできたらアンダーハンドパスでとるといったように上にも下にも素早く手を出せるようにしておくためです。
以上、構え方のポイントを3つ解説しました。
この3つを頭に入れて正しく構えることがとても大切ですので覚えておいてください。
構え方については下の記事でさらに詳しく解説しています。
>>【バレーボール】素早く反応するための構え方とステップを徹底解説【○○○も重要】
パスの基本とコツ②:ボールの落下点に移動する
ボールの落下点に移動するときのポイントは下記の2つです。
ポイント
- 声を出す
- 腕を振って走る
それぞれ解説します。
声を出す
ボールを取るときは、まずは自分がボールを取るよということを仲間に知らせる声を出すことが重要です。
ボールを誰が取るのかが早く決まればボールをとる人はボールに集中できますし、取らない人も取る人のカバーを意識しつつ次の動作に移ることができます。
ですので、声を出すタイミングは移動の1歩目を出す前が理想です。
ここで「声を出すのは分かったけど、一体どんな声を出せばいいの?」と思うかもしれないのでお答えしておくと、出すべき声は「ハイッ!」や「オッケー!」といった声です。
バレーボールはボールを落とすと相手に点数が入ってしまうスポーツなので、みんながボールを落とさないために「自分が取らないと!」と思っています。
そんな中で声を出さないでボールを取りに行くとボールを落としたくない他の仲間とぶつかってしまうことがあります。
自分がケガをしないためにも仲間にケガをさせないためにも、しっかり大きな声を出してボールを取りに行くことが大切です。
バレーボールにおいて声を出すことは大切な技術なので、ぜひ早めに習得してください。
コートの中での必要な声かけが分からない、声を出したいけど出せないといった悩みの解消方法については下の記事で詳しく解説しています。
>>【バレーボール】勝率を爆上げするコート上で必要な声かけ10選【超重要】

一生懸命ボールを見ているからこそ、隣にいる仲間のことが見づらいんですよねT^T
腕を振って走る
突然ですが、あなたは「50m走をできる限り早く走って!」と言われたら腕を振って走りますか?それとも腕を振らずに走りますか?
きっと腕を振って走るんじゃないでしょうか。僕もそうします。それは、単純にその方が速く走れるということを経験上知っているからですよね。
ここは重要なポイントなので「アンダーハンドパスでボールをとろうとしたときに腕を組んだまま走ってしまう」という小中学生年代でよく見かける様子を例に少し詳しく解説します。
もし今あなたが「自分のことかも・・」と思ったのであれば注意が必要です。
では、なぜ腕を組んだまま走ってしまうのでしょうか。それは「どう考えてそうしているのか」を考えてみると原因が見えてきます。
下図がその分析です。
腕を組んだまま走ってしまう人の脳内
- 「あのボールをアンダーハンドパスで取るぞ!」
- 「急いでボールの下に行かなくちゃ!」
- 「アンダーハンドパスで取るんだから早く手を組んでおかないと!」
こんな感じだと思います。
実はこれ、過去の自分の脳内です。笑
上図中の思考の流れで正しいようにも見えますが、この中に完全にNGな部分があるんです。
それは、図中最後の「早く手を組んでおかないと!」という部分です。
なぜなら、オーバーハンドパスで取ろうとしている場合あってもアンダーハンドパスで取ろうとしている場合であっても、ボールを落とさないためにはボールを丁寧に触れる場所までいち早く到着することが何よりも大切だから。
そして、いち早くボールの落下点に到着するために必要だったのは何でしたかね?
そうです!腕を振って走ることですね!これ、超重要ポイントです。

アンダーハンドパスをする際に手を組むのはボールの落下点に到着した後でOKです。
パスの基本とコツ③:しっかり止まる
パスでは止まってボールを取ることがとても重要です。
(写真は強打レシーブの場面ですが、左から移動してきてボールをとる前に止まっています)
それは、自分の身体が止まっていると床からの自分の目の高さが固定されることでボールがよく見えるからです。
結果として動きながらとる場合と比べて丁寧にボールをコントールすることができます。
動いているボールに「止まれー!」と念じても止めることはできないので、丁寧にボールをコントールするためにすべきことはただ1つ「自分が止まる」ことなのです。
止まるときに意識して欲しいポイントは下記の1つです。
止まる時のポイント
- ボールとの距離を一定にする
さっそく解説します。
ボールとの距離を一定にする
これはボールに触れる部分がいつも同じであればそれだけ正確にボールをコントロールすることができるので、ボールと自分の身体との距離が同じになる場所で止まることが大事だということです。
オーバーハンドパスの場合は毎回頭の上にボールが来るように、アンダーハンドパスの場合は毎回おへその前にボールが来る位置までしっかりと移動して止まることが重要です。
アンダーハンドパスの場合はボールに近寄っておへその前で肘をやや曲げたくらいのところでボールをキャッチする練習をすると、ちょうど腕を伸ばすとおおよそボールを当てる位置になるのでおすすめです。
また、バレーボールではボールを触ったらすぐに次のプレーに移るので、次にどの方向にも動き出せる準備を完了した状態でボールを触れるという意味でも止まることは重要です。(大事なことをさらりと解説しました)
アンダーハンドパスのボールを当てる位置については下の記事で詳しく解説しています。
>>【バレーボール】93%が知らないアンダーハンドパスの当てる場所を徹底解説!

フットワークの練習から始めて、じっくりボールとの距離の感覚を磨いていきましょう!
パスの基本とコツ④:正しい姿勢をとる
ここではボールの落下点に素早く移動してしっかり止まったその後について解説します。
結論としては「正しい姿勢でボールを待ちましょう!」なのですが、その中にたくさんのポイントがあるのでひとつずつ解説していきます。
アンダーハンドパスの時もオーバーハンドパスの時もポイントは下記の5つです。
パスの正しい姿勢のポイント
- 足を前後させる
- 膝を曲げる
- 胸を起こす
- あごを引く
- 正しく手を組む(アンダーハンドパスの場合)/ 正しい手の形を作る(オーバーハンドパスの場合)
それぞれ解説していきます。
足を前後させる
パスでボールをしっかりと運ぶために足は前後させて止まるようにしてください。
前方向にボールを出す場合、後ろに置いた足でしっかり床を蹴ることで前方向にボールを押すことができます。
これはバレーボールの指導現場でよく耳にする”重心移動”の話なのですが、これついては下の記事で詳しく解説しています。
>>【バレーボール】パス成功の85%を握る”重心移動”を徹底解説!【超重要】
膝を曲げる
ボールを上方向に運びたい場合、当然下から上方向にもボールを押してあげる必要があります。
その際に重要なのが膝の動きです。
曲げた膝を伸ばして身体を持ち上げることでボールを運びますが、このときの膝は「適度に曲がっていればOK!」ここでの”適度に”とは膝は曲がっているがギリギリ辛さは感じないくらいと理解してください。
理由は、膝が深く曲がりすぎている姿勢だと身体を持ち上げるのが結構大変ですぐに疲れてしまいますし、ボールを丁寧に触ることもできないからです。
辛くなるような姿勢でパスをしないようにしましょう。
とはいえ、あんまり曲がっていない場合もボールをしっかりと運ぶことができないので問題ありです。ですので、良いパスを出し続けるために重要なキーワードは「適度に曲げる」です。
リピートアフターミー「TEKIDO NI MAGERU!」・・・笑
ただ、周りの仲間や先生などから「全然曲がっていないよ」や「立ってるみたいだよ」などと言われるような場合で「これがギリギリ辛くないくらいなんだけど・・・」と思うことがあるかもしれません。
筋力があまりない小学生や中学1年生なんかは最初は膝を深めに曲げるのがきついかもしれないですが、少しずつ深く曲げて練習をしているうちに段々楽になるものです。
なので、周りからたくさん「膝が曲がってないよ」というアドバイスを受けるような場合は、少しだけ頑張って「ちょっとだけきついなぁ〜」と感じるくらいでOKなのでいつもより少しだけ深く曲げてみましょう。

深く曲げている状態が楽に感じられるようになると、低いボールでも丁寧に触ることができるようになるのでバレーボールが楽しくなってきますよ!
胸を起こす
ボールを取るときはボールを見ていますが、ボール以外の必要な情報も実はたくさんあります。
そしてその必要な情報は基本的には前方にあるので、胸を起こした姿勢でボールを取ることでしっかりと前方を見ることができ必要な情報を得ることができます。
例えば、セッターの位置やその他の味方の位置、また次に自分が動きたい空間に人がいるのかいないのかなどです。
これを「周辺視野」で把握できるようになるとボールを出した後にスムーズに動くことができます。
「周辺視野」 = ボールを直視してボールが鮮明に見えている状態でその周りのぼんやり見えている景色。
と、少しレベルの高いことを話しましたが、初心者のうちは難しいことは考えなくても良いので、胸を起こした状態でボールを触れるようにだけしておきましょう。
あとは余裕が出てきたらでOKです(^^)

「胸を起こした状態」というのは普通に立っている状態よりもやや前傾姿勢くらいのことです。
あごを引く
ボールが上にあるからといってあごを上げてボールを見てしまうとボールと天井だけが見える状態になってしまい、セッターの位置などの必要な情報を入れることができません。
ひとつ前のパートで胸を起こすことの重要性を解説しましたが、「あごを引く」ことも必要な情報を得るためには胸を起こすことと同じくらい重要です。
具体的な失敗例を挙げると、アンダーハンドパスであごが上がってしまい顔が上を向いている状態でボールを取るとします。
その状態で正しい位置(おへその前あたり)でボールをとっても手にボールが当たっている瞬間にボールを視界に入れることができないので、ミスをする可能性が高くなってしまいます。
このようなもったいないミスをしないためにも、あごを引いた姿勢でボールを見ることがとても重要です。

あごを引いた状態で上にあるボールを見るということは上目遣いをした状態になりますが、それが正解です!
正しく手を組む(アンダーハンドパスの場合)
アンダーハンドパスでボールを正確にコントロールするためには、止まった直後にはもう手を組んでボールを触る準備を終えておくことがとても重要です。
ボールが自分の身体に近づいてきてから手を組もうとするとバタバタと慌てることになりボールを落ち着いて触れません。
その際に両手の親指がしっかりと揃っている状態で手を組むようにしてください。これ、アンダーハンドパスの最重要項目です。
アンダーハンドパスの正しい手の組み方や種類については下の記事で詳しく解説しています。
>>【バレーボール】失敗しないアンダーハンドパスの手の組み方4選【唯一のコツを伝授】

アンダーハンドパスでは自分の腕が見えている状態でボールに触るようにしましょう!
正しい手の形を作る(オーバーハンドパスの場合)
オーバーハンドパスの場合もしっかりボールを触る前に手の準備をしましょう。
アンダーハンドパスと同様、止まったときにはもう手の準備を終えておくことが重要です。
手の形は下の画像のようにしてください。
(画像挿入予定)
オーバーハンドパスの手の形のポイント
- しっかりと手を開いておくこと
- 手を自分のおでこの前にしっかりセットすること
- 肘を開きすぎず閉じすぎず、腕で三角形を作ること
上記3つのポイントをしっかりと意識して練習をするようにしましょう。

オーバーハンドパスもあごを上げずに、上目遣いで!ですよ(^^)
パスの基本とコツ⑤:ボールが落ちてくるまで待つ
身体の近くまでボールを引きつけることで丁寧に触ることができるので、ボールが落ちてくるまで待つことはとても大切です。
ボールが落ちてくるまで待つことでアンダーハンドパスではしっかりと腕の角度を一定に保った状態でボールに力を伝えることができますし、オーバーハンドパスでも下から上へ持ち上げる動きだけでなく、後ろから前にしっかりとボールを押し出すことができるようになります。
ボールが落ちてくるまで待つポイントは下記の1つのみです。
ポイント
ひたすら我慢!!!!
ふざけてないです、大真面目ですよ。本当にこれが大事なんです。心を落ち着かせて、慌てて早くボールに触ろうとしないことが大切です。
ただ、これは自分ではできていると思っていても実際にはできてない人がとても多いので「自分は大丈夫!」だと思っていても、もう一度「本当に自分はボールが落ちてくるまで待てているか」を確認してみることを強くおすすめします。
と、ここで「どれくらい自分の近くに落ちてくるまで待っていればいいの?」と思うかもしれません。
これに関しては、構えた姿勢からボールが腕や手に当たる”直前まで”待ってください。
直前まで”と書いたのは、ボールを出すときには身体を持ち上げる動作が入ります(次に解説します)が、厳密に言うと腕や手にボールが当たってから身体を持ち上げ始める訳ではないからです。
何だか分かりにくいのでボールとの距離で説明すると、腕や手から15cm前後の距離まで落ちてくるまで待ってから膝を伸ばす動きを入れて身体を持ち上げていくと良いでしょう。
これは足の長さによっても変わってくる部分なので断言はできませんが、個人的にはボールが腕や手から30cm離れているタイミングで身体を持ち上げ始めるのは少し早すぎる印象です。
この「ボールが落ちてくるまで待つ」ができるようになると良いことがたくさんありまして、オーバーハンドパスでよくある悩みの”音が鳴る”や”指が痛い”についても解消できてしまいます。
これは本当に多い悩みですし、何を隠そう僕もこれにかなり悩まされて続けてきた一人です。
もし「自分もだ!」という場合は、下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
>>【元日本代表が解説】オーバーハンドパスの「指が痛い!」は○○だけで解消!
パスの基本とコツ⑥:全身でボールを運ぶ
いよいよボールコントロールの局面です。個人的にはこの部分の理解度で上達スピードにかなりの差が出るのではないかと思っています。
この局面で重要なポイントは下記の通りです。
ポイント
- 手を振らずにボールを押す(アンダーハンドパスの場合)
- 身体を持ち上げる(オーバーハンドパスの場合)
それぞれ解説します。
手を振らずにボールを押す(アンダーハンドパスの場合)
ボールを運ぶときは「どこに」、「どんな高さで」ボールを出したいのかをイメージして、その通りにボールを飛ばせるように面の向きをセットして、そのまま手を振らずに身体を持ち上げながらボールを押していきます。
「ボールを押す」と表現しているのは「ボールを手に当てる」という表現よりイメージが近いためです。
アンダーハンドパスにおいて両腕のボールが当たる部分を平らな面であると仮定して「面」と呼んでいます。

「面」という言葉はバレーボールではよく使われる言葉ですのでここで覚えておきましょう!
アンダーハンドパスの具体的なボールの運び方の手順は下記の通りです。
ボールの運び方の手順
- ボールの軌道を明確にイメージする
- 面の向きを調整す面の向きを調整する
- ボールが落ちてくるまで待つボールの軌道を明確にイメージする
- 面の向きを保ったままイメージした軌道の方向に膝を使って身体を持ち上げ全身で押すボールの軌道を明確にイメージする
4つ目の「面の向きを保ったまま」の部分は手を振らないことを意味しています。手を振らないでボールを取ることは正確にボールをコントロールするためにはとても重要です。
という感じで「手を振らないこと」の重要性を力説してきましたが、実はアンダーハンドパスにおいて「手を振らない」は半分間違いです。
(どうか落ち着いて!笑)
その理由は、バレーボールには逆に手を振った方が良い場面もたくさんあるから。
例えば、下記のような場面です。
・膝を床についた状態でボールを取る場合
・ボールにギリギリ手が届いたような場合
膝をついているときはもちろんですし、ボールにギリギリ手が届いたようなときも膝を使ってる余裕はないですよね?
こういった膝の動きを使えない場面では「手を振ることでボールを出したい方向に押してあげる」というやり方が正解となるわけです。

「手を振らずに!」というのはある程度余裕を持ってボールに触ることができる場合だと理解しておくようにしてください
アンダーハンドパスで手を振った方が良い場面については下の記事で詳しく解説しています。
>>【元日本代表が解説】アンダーハンドパスで手を振るな!が不正解の理由
身体を床から近い順に押し上げる(オーバーハンドパスの場合)
オーバーハンドパスについても基本的にはアンダーハンドパスと同じです。
オーバーハンドパスの具体的なボールの運び方の手順は下記の通りです。
ボールの押し方の手順
- ボールの軌道を明確にイメージする
- 手の形をつくる
- ボールが落ちてくるまで待つ
- ボールを手で包みながらイメージした軌道の方向に膝を使って身体を持ち上げ全身で押す
- 腕を伸ばしきる
簡単に言ってしまえば、「軌道をイメージして全身で押す」です。その際、オーバーハンドパスでは身体を床から近い部分から持ち上げるという意識をもつことがとても重要です。
アンダーハンドパスでは腕を振ってしまえばボールを遠くに飛ばすことは比較的簡単にできてしまいますが、オーバーハンドパスの場合はよりしっかりとこの動作を行う必要があります。
実際の身体の動かし方を具体的に言うと、「足首→膝→股関節→肩→肘→手首→指という順番に力を伝えていく」イメージです。
こうすることで腕だけでなく全身の大きな筋肉も使ってボールを押すことができるので、しっかりと目標までボールを運べる可能性が高まります。
オーバーハンドパスを遠くへ飛ばす方法については下の記事で詳しく解説しています。
◾️◾️◾️【バレーボール】オーバーハンドパスが飛ばないと悩んでいるあなたへ【飛ばない原因と飛ばし方】◾️◾️◾️(執筆中)
ここで、オーバーハンドパスにもアンダーハンドパスと同様に膝を使えない場面が当然あるので触れておきます。
例えば、下記のような場面です。
・身体が伸びた状態で取るような場合
こんな場面ではオーバーハンドパスでは「腕を伸ばす動作だけでボールを押す」という取り方が正解です。
高めに速めのボールがきて身体が伸びた状態で取ることは結構あるので、これも頭に入れておくと臨機応変に対応できちゃいますね。
それと最後に、図中5つ目の「腕を伸ばしきる」に関しては、あなたが初心者の場合は腕を伸ばし切ってボールを出すことでより遠くへ丁寧に(ボールに触っている時間が長くなるので)ボールを運ぶことができるので、ぜひトライしてみて欲しいです。
とはいえ、近くにチョンっとパスをしたいだけの場合などは無理に腕を伸ばしきる必要はないので、自分の判断で使い分けてもらってOKです。

なんだか書いていても重要なこと言い過ぎと思うので、疲れましたよね?全部を覚えようとしないで、繰り返し読み返して使ってください(^^)
パスの基本とコツ⑦:フォームを確認する
アンダーハンドパスやオーバーハンドパスでは、ボールを出し終わった際に自分のフォームの確認することですぐにより良くなるように修正ができるので効果的です。
確認と修正を繰り返せる選手は間違いなく上達が早いので、初心者でなくても必ずやるべきことです。
確認の際のチェックポイントは下記の通り。
フォーム確認のポイント
- 面の向き(アンダーハンドパスの場合)
- 両手の親指(アンダーハンドパスの場合)
- 手の位置(オーバーハンドパスの場合)
それぞれ解説します。
面の向き(アンダーハンドパスの場合)
まず、アンダーハンドパスのフォームの確認をするためにしてもらいたいことは、ボールを出したらそのまま組んだ手を離さず面を残すことです。
これは「どれくらいの時間面を残せばいいの?」と気になると思いますが、約1秒でOKです。
それができたら確認作業に入ります。
1つ目に確認したいのが、面がしっかりと自分がボールを出したい方向に向いているかです。
これは、ボールを触るまでは上にあるボールを見ていて面は見ていないので、実際の面の向きが自分のイメージと全然違う方向を向いてしまっているということも多いためです。
あなたも「自分では完璧にあそこに向けたはずのにだいぶズレた方向に飛んで行ってしまった・・・」という経験はきっとありますよね。
それは自分の頭で思っている向きと身体がセットした向きがズレていることが原因です。そんなときはボールを出した後に1秒間だけ面を残して毎回確認してみてください。
確認してもし自分が思っている方向に面が向いていなかった場合は「もう少しイメージより手をあげないとダメか」とか「もう少し角度をつけないとダメか」といった感じで少しずつ修正をしていきましょう!
自分の感覚を修正するには根気が必要ですが、この確認と修正の継続がとても大切です。

修正を繰り返すうちに確認しないでも思ったところにボールを飛ばせるようになってきますよ!
両手の親指(アンダーハンドパスの場合)
2つ目に確認したいのが、組んだ手の親指が揃っているかです。
「自分の面の向きはいい感じなのにボールが思った方向に飛んでいかない・・・」という場合はこの組んだ両手の親指が揃っていないことが原因の可能性が高いです。
親指が揃っていないとボールに触る部分である面がきれいに揃わないので、せっかく正しい向きに面を向けていてもボールは違う方向に飛んでいってしまいます。
なので、組んだ両手の親指が揃っているかどうかは小まめに確認するようにしてください。

素早く両手を組むだけの練習を繰り返し行うことで親指を揃える感覚を磨くことができます。家でもできますね!
確認をする際の落とし穴
たまに、ボールを触ってから自分の手を見るまでの間にボールに触っていたときにはズレていた親指が無意識に揃う人がいます。
これ、中学生時代の僕の話です、、汗
先輩から「ズレてるよ」と何度も神の声をいただいていたにも関わらず、自分の手を見たときには親指が揃っていたのでまさか自分の面がズレているだなんて思いもしませんでした。
こうなるとなかなか改善できないままもったいない時間を過ごすことになってしまうので注意してください。
そうならないために、最初はボールのゆくえは気にせずにボールが当たった瞬間に自分の親指を見るくらいのスピードで自分の親指が揃っているかどうかを確認すると良いですね。

うまくいっていないときには、自分を疑ってみることも大切ってことです!
手の位置(オーバーハンドパスの場合)
オーバーハンドパスの場合も同じで、ボールを押し出したらそのまま手を残して下さい。
これも1秒ほどでOKです。
その際に両手が自分の正面上方向にあればおおよそ問題はないのですが、オーバーハンドパスでボールを出した後に両手が外方向に開かれて離れていってしまうような場合は問題ありです。
なぜかというと、ボールを押す際に力の方向が分散してしまっている可能性が高いからです。つまり、ボールをまっすぐ押せていない可能性が高いからです。
そうなるとドリブル(反則)を取られる可能性も高まりますし、ボールを遠くに飛ばすことも難しくなるので注意してください。

自分のフォームは録画して見ない限りは自分ではなかなか分からないと思うので、仲間や先生に見てもらうと良いです!
まとめ
この記事ではパスの基本とコツについて手順ごとに解説をしてきました。(写真は2010年アジア大会優勝時。一番右です。若い。)
基本中の基本のパスだけでも大事なことがたくさんあって奥が深いことが分かったと思うので「今のうちにちゃんと理解しておきたい!」という場合は、本文中に貼った別記事もぜひチェックしてみてください。
チェックして欲しい理由は、表面的な知識よりも”なぜその動き方をすべきなのか”を理解すべきと考えているからです。
本質を理解して取り組むことで今後その情報を自分の状況に合わせて応用して使うことができるようになります。

忘れちゃったなと思ったら何度も読み返していち早くレベルアップしてくださいね!
2022年12月より日テレさんが運営する『ドリームコーチング』内にてバレーボールコーチ登録をしました。
関東県内限定となりますが、こちらからお申し込みをいただきましたら僕がお伺いさせていただいて直接バレーボールの指導をさせていただきます。
バレーボールのスキルアップにぜひご活用ください!