- いつも「声を出せ!」と怒られる・・・
- そもそもどんな声を出せばいいの?
- 声を出せるようになりたい!
こんな悩みを抱えていませんか?
バレーボール教室やスクールをしていると声に関しての課題を抱えているチームや個人を多く見かけます。むしろ、ほぼすべてのチームが必要な声が出せていないことによる問題を抱えていると言っても間違いではないと思います。
声を出せるようにならないとチームメイトとうまくコミュニケーションを取ることができず試合に勝つことが難しいので、何としてでも声を出せるようになりたいですよね。
僕は中学生の頃やそれ以前の小学校でサッカーを習っていたときは「恥ずかしくて声を出せない」タイプの人間でした。目立ちたくなかったので「声を出さなきゃ!」とも「出したい!」とも思っていない一番タチの悪いタイプでした(汗)
しかし、声を出すことの必要性を理解して長期間実践し続けた結果、Vリーガーになることができ、日本代表としても3年間プレーをさせてもらうことができました。
レベルの高いカテゴリーでのプレー経験から確信していることなので少し厳しめに感じるかもしれませんが、僕は声が出せていない状態で「結果」を出すことはかなり難しいと思っています。
また声を出すことでケガも防止できるので、やっぱりみんなに必要な声かけができるようになって欲しいなと。
この記事では、あなたがバレーボールで必要な声かけができる選手になれるように「実際にコート上で必要な具体的な声かけと声かけすべき理由」に焦点を当てて声かけについて詳しく解説していきます。
この記事を読むことで必ずあなたもコート上で求められる声かけがしっかりできる選手に確実に近づけるはず。

声かけをマスターしてチームに必要とされる選手になりましょう!
※この記事は少し長めですが、5分ほどで読み終わります。
2022年12月より日テレさんが運営する「ドリームコーチング」にて、バレーボールの出張指導を始めました!ぜひご利用ください(^^)
声かけの必要性
先ほど僕は皆が必要な声かけができるようになるべき!と主張しましたが「一体なぜ声かけが必要なの?」と感じる場合もあると思うので、ここでは声かけの役割について解説をしたいと思います。
まず、声かけの役割についてざっくり考えられるものを挙げると下記の通りです。
声かけの役割
- 自分の意思を伝える
- 自分のテンションを上げる
- チームを盛り上げる
- 戦術を確認する
- 怪我を防止する
どうでしょうか。ざっと挙げても6つの役割があるなと思うのですが、この6つだけを見てもバレーボールの試合で勝つためには声かけが重要な役割を果たしていそうだなと理解できるのではないでしょうか。
では、ここからさっそくコート上で必要な声かけについて具体例を挙げながら解説していきます。
コート上で必要な声かけ10選
下に必要な声かけを10個リストアップしました。
コート上で必要な声かけ10選
- 誰がボールをとるかの声かけ
- ラインジャッジの声かけ
- 味方を動かす声かけ
- 自分の状態を知らせる声かけ
- 相手サーブ時の声かけ
- ねぎらいの声かけ
- 仲間を勇気づける声かけ
- 連携を高める声かけ
- アタッカーをサポートする声かけ
- 味方サーブ時の声かけ
どうですか?これをみて実際にかける言葉が想像できたでしょうか?
「全然わからない・・・」という場合もここから1つずつ詳しく解説していきますので心配しないでくださいね。

8番あたりからグッとレベルが上がりますが、すべてとても重要なので知識としてまずは頭に入れておきましょう!
1.誰がボールをとるかの声かけ
「オッケー!」「ハイ!」「まかせろ!」
これは自分がボールをとるときの声かけです。「自分がボールをとるぞ!」というときはできる限り早いタイミングで仲間に大きな声で知らせるようにしましょう。
この声かけが遅いといつになっても誰がとるのかが分からず、ボールを落としたくない仲間同士でぶつかってケガをしてしまうことがあります。
また声を早いタイミングで声を出すことで味方が次の動きの準備に移れるというメリットもあります。
「前!」「後ろ!」
これはサーブレシーブ時にボールをとるべき選手が前にいる選手なのか後ろにいる選手なのかを判断し伝える声かけです。
小中高生年代ではサーブレシーブでいわゆる「W型」のフォーメーションを採用しているチームが多いです。「W型」は前のエリアを3人で守り後ろのエリアを2人で守るというフォーメーションなので「前!」とか「後ろ!」といった声かけをするのが一般的です。
ちなみに「前!」という声かけは「そのボールは前にいる選手がとるべきだと思うよ!」という意味。あくまでも「自分はこう思うよ!」という声かけなので、間違うということはないです。唯一間違いがあるとすれば、声かけをしないことです。
誰がボールをとるかの最終判断はボールの近くにいる選手の役割になります。
「○○!」(名前)
これはボールをとって欲しい人の名前を呼ぶ声かけです。名前を呼んであげることで呼ばれた人は強烈に「自分がとるべきなのか!」と思ってくれます。
「ここまでは自分がとる!」と思っている範囲と周りの人が「この人はここまでとってくれるはず!」という範囲が結構違うということは本当によくあります。この場合、声かけをしないと間違いなくボールは床に落ちてしまいます。
これも自分の考えを伝えているだけの声かけなので、間違うということはないので思い切って声をかけましょう。

声を出し続けることで慣れてきますし精度も上がってきますよ!
2.ラインジャッジの声かけ
「イン!」「アウト!」「入った!」
これは味方コートに飛んで来たボールがコートに入りそうなのか入らなそうなのかをボールの近くにいる仲間に教えてあげる声かけです。
「イン!」や「入った!」という声かけは、「入ってそうだからとって!」という意味です。よく使われる「入った!」がなぜか過去形なのは「入ってる!」よりも瞬時に言いやすいからだと思います。
実際にボールが向かってきている人はボールを正面から見ているので、そのボールがコートに入りそうなのかどうかを判断するのが難しいです。
これも最終判断はボールが向かってきている選手の役割なので、間違うというのはないので思い切って声かけして仲間をサポートしてあげましょう。

自分がされて助かることは積極的に仲間にしてあげましょう!
3.味方を動かす声かけ
「カバー!」
これは仲間に対して「みんなでカバーにいくぞ!」と呼びかけるときの声かけです。
味方セッターからトスをもらったアタッカーが打ったボールが相手ブロックに当たってこちらのコートに返ってくる可能性があるので、カバー(ブロックカバーといいます)をするためにアタッカーの近くに寄るべきなのでこの声かけが必要になります。
この際、近くにいる3人がアタッカーの近く、残りの2人は少し離れた位置にいるなどしてバランスよくポジション取りができるのが理想です。
カバーに行くというのは当たり前のようですが、これができていないチームは本当に多いです。肌感覚ですがカバーがしっかりできているのは30チームに1チームくらいだと思っています。それくらい少ないのが現状です。
なぜかというと他のアタッカーは自分のポジションでスパイクを打とうとステップをしていた直後ですしセッターもトスを上げた直後なので、かなり強い意識を持っていないと忘れてしまうことが多いんですよね。
上記のことからこの「カバー!」という声かけに関してはスパイク助走を取ることがなく、比較的時間の余裕があるリベロの選手が積極的にかけるべきです。
「上がった!」
これは味方に対して「ボールが落ちてないぞ!」と伝えるときの声かけで、相手の強いスパイクやサーブを「なんとか上げられた!」というような場合に使います。
ただ、このような場合は上がったと言ってもボールは低かったり、コートの外に向かっていたりします。そんな状況でボールを味方に繋いでもらうために絶対に必要な声かけです。
「上がった!」と大きな声で声かけをすることで味方全員に”ボールが落ちていない”という事実を伝えることができます。
特にブロックを跳んでいた選手は相手コートの方を向いているので、味方のブロッカー方向にボールが上がっている場合には特に早くボールが落ちていないことを伝えてすぐに振り返ってボールを繋いでもらう必要があります。
ブロックを跳んだあとにすぐに振り返ることも当たり前のことではあるのですが、多くのブロッカーが忘れがちな部分なのでこの声かけは非常に重要です。

これを練習中から全員ができているチームはものすごい「ボールを繋ぐ力」があります。
4.自分の状態を知らせる声かけ
「レフト!」「ライト!」「A!」「B!」「C!」「パイプ!」など
これは、味方にセッターに対してアタックの準備ができていることを伝えるときの声かけです。
味方のレセプションが乱れたときやラリー中は、セッターはボールを見て一生懸命走りながら”どのアタッカーに上げようか”ということを考えています。特に「センターの選手がクイックに入っているかどうか」は気になるところです。
そんなときにアタッカー側から「ちゃんと入っているから上げていいよ!」という声かけがあるととても助かります。
レセプションが乱れたときにクイックが使えると相手のセンターブロッカーに大きなプレッシャーを与えることができます。
「もしかしたらクイックがくるかも・・・」と思わせることができれば、サイドへの反応を少し遅れさせることができ、結果としてサイドアタッカーの決定率を上げることができます。
またチャンスボールから攻撃する場合も、自分が打つ準備ができている攻撃のサインを全員がセッターに伝えることは重要です。レセプションのときは事前にサインを出しますがチャンスボールのときは打ち合わせがないからです。
チャンスボールのときはセッターが素早くサインを出せれば一番良いですが、中学年代などではなかなか難しいかもしれないので全員で声かけができるようになりましょう。

チームで特別なコンビがある場合は相手に分からないような呼び方を決めておくことも効果的ですよ!
5.相手サーブ時の声かけ
「ジャンプ!」「フローター!」「左!」「巻き!」「すぐ来るよ!」
これは相手サーバーの特徴を共有するときの声かけで、相手がサーブを打つ前に味方全員でその選手がどんなサーブを打ってきそうなのかを共有して守りやすくするための声かけです。
相手サーバーがジャンプサーブを打ってくる選手なのかフローターサーブを打ってくる選手なのか、また左利きの選手の場合は慣れない軌道でボールが飛んでくることがあるので特に警戒して声かけをします。
「巻き!」というのは、打つときに腕を身体の内側に巻き込むようにボールを打つことです。
これによってボールが斜めに変化をしながら飛んで来て横に並んだ選手のどちらの選手がボールをとるべきなのかの判断が難しくなるので、サーブレシーブをする選手同士であらかじめ自分の右側をとろうとか、左側をとろうといった会話をしておくことで対応します。
「すぐ来るよ!」に関してはこちらの準備が不完全な状態であることを狙って相手サーバーが審判の笛が鳴った瞬間(=直後)に打ってくる可能性があるので、味方に注意喚起をするための声かけです。

味方全員で共有して飛んでくるボールを「想定内」にしておくことがとても重要です。
6.ねぎらいの声かけ
「ナイス!」「ナイスファイト!」
これは仲間をねぎらうときの声かけです。
仲間がナイスプレーをしたなと思ったときには「ナイス!」と声かけをしてあげましょう。「ナイス!」と言われて嬉しくない選手はいないと思います。
ポジティブな声かけをすることでチームも良い雰囲気になりますし言われた仲間も「よし、次も頑張るぞ!」と思ってくれるはず。
「どこまでがナイスプレー?」と思っているかもしれませんが、たとえ結果が失敗だとしても自分がナイスプレーと思ったらナイスプレーです。
「頑張ってボールを追いかけたけど上がらなかった」なんていう場合にも自分が「ナイスファイト!」と思ったらどんどん声をかけてあげましょう!
このようなポジティブな声かけはチームにとって良いことだらけの魔法の言葉です。

自分がされて嬉しいことは積極的にやっていきましょう!
7.仲間を勇気づける声かけ
「思い切って!」「攻めていいよ!」
これは仲間を勇気づけるときの声かけです。
ブロックされた後など仲間がネガティブになってそうだなと感じたときは特にですが、仲間を勇気づける声かけをしてあげましょう。
弱気になっているとついついネガティブなことを考えてしまい、集中できずミスをする確率が上がります。そんなことになる前に、味方に「よしやるぞ!」と思ってもらえるような声かけをしてあげましょう。

サーブを打つ前なんかも味方からのひと声で勇気づけられるものですよ!
8.連携を高める声かけ
「高く!」「低く!」「チョン!」「ツケ!」
これはセッターに対して上げて欲しいボールの高さや速さを要求するときの声かけです。
「高く!」という声かけは、例えば自分がレセプションで態勢が崩れてしまったときなどにセッターに少し高めに上げてもらうことで態勢を立て直す時間を確保したいときなどに使います。
「ツケ!」という声かけは「速いトスを持ってきて!」という意味。「チョン!」という声かけは「低いトスにして!」という声かけです。
「チョン!」に関してはセッターへの返球が大きくなりセッターがボールに指先でしか触れられない(=ボールをサイン通りの距離まで運べない)ような場合に「こっち方向にチョンと弾いてくれるだけで打てる準備ができてるよ!」と知らせてあげる声かけとしても有用です。
「ツケ!」は汎用的にどのチームでも使われている印象ですが「チョン!」はあまり聞かないかもしれません。「低く!」でも良いと思いますが、僕は「チョン!」の方が言いやすいので「チョン!」を使っています。(セッターがわかればOKです)
これ、セッターからしたらすごく助かる声かけではないでしょうか。
「そこから!」
これはセッターに対して「サイン通りにあげていいよ!」と伝えるときの声かけで、レセプションが乱れたときによく使います。
具体的には、セッターが通常のネット際ではなくネットから離れた場所からトスを上げなくてはならない場面で「こっちの準備はできてるからその場所からでも元々出していたサイン通りのトスを上げていいよ!」とセッターに伝えてあげるような声かけです。
レセプションが乱れた時点でセッターは「ここからサイン通りに上げてコンビが合わなかったら嫌だな・・・」と思うもの。
そんなセッターを勇気づけて背中を押してあげるのがこの声かけです。
「なし!」
これはセッターに対して「さっき出したサインはなしで!」と伝えるときの声かけで、特にレセプションが大きく乱れたときによく使われる声かけです。
セッターが通常のネット際ではなくネットからだいぶ離れた場所からトスを上げなくてはならない場面で「そこからだとさっき決めたサインの攻撃は難しいからさっきのサインはなしにして高めのトスを上げて!」とセッターに伝える声かけです。
レセプションが乱れた時点で、セッターは「ここからでもさっきのサインでいく!?さすがに変える??」と考えているはず。
そんなときに早めに「なし!」という声かけがあれば、セッターは「高めに上げておけばいいのね!」という安心感を持つことができますし、コンビが合わなくて失点という事態も未然に防ぐことができます。
もちろん「なし!」の代わりに他のサインに呼び直すのもOKですよ!

少しレベルの高い声かけだと思いますが知っておくことで味方を助けてあげられるようになるので、ぜひ!
9.アタッカーをサポートする声かけ
「1枚!」「2枚!」「3枚!」
これは味方アタッカーに対して相手ブロックの人数(枚数)を教えてあげるときの声かけです。
ブロックが1枚であればクロス方向が空く傾向がありますし、3枚であればコートに突き刺すようなスパイクを決めることは難しいことがわかります。
いずれにせよ、味方アタッカーに良い選択をしてもらうために必要な声かけです。
「近い!
これは味方にアタッカーに対してボールの状況を伝えるときの声かけで、「近い!」というのはボールとネットとの距離です。
セッターの上げたトスがネットに近い場合に味方アタッカーに対して「ネットに近いからガムシャラに強く打つとブロックされるから気をつけて!」というような意味合いでこの声かけをします。(「近い!」にはこんなに長い言葉が省略されているのです・・・深い!笑)
アタッカーのレベルが高くなってくると自分で判断ができるのであまり使わないかもしれませんが、味方アタッカーに余裕がなさそうな場合にはとても有効な声かけです。
「カバー入った!」
この声かけはそのままですが「しっかりカバーに入ってるよ!」とアタッカーに伝えてあげる声かけです。
味方が確実にカバーに入ってくれていることでアタッカーは安心しますし、”リバウンド”の選択もできるようになります。
”リバウンド”に関しては別の機会に解説したいと思いますが、簡単に説明するとブロックに少し弱めに当てて自分側のコートに跳ね返らせるといった技術です。
思うようなトスが来なくて決めるのが難しそうな場合やアタッカーの態勢が崩れてしまっているときなどにこのリバウンドを使い、返ってきたボールをもう一度セッターに返して良い状態で攻撃し直すことで決定率を高めることができます。

全員で決定率を上げて失点率を減らす努力をすることが重要です。
10.味方サーブ時の声かけ
「前2枚!」「前3枚!」
これは相手の前衛アタッカーの枚数を共有するときの声かけです。「相手の前衛=ネット際から鋭い攻撃ができる」ので、前衛の選手へのマークは欠かせません。
その前衛のアタッカーが2人なのか3人なのかを全員で共有してブロックを中心に守備の意識を強めるために使う声かけです。
相手前衛2毎時に相手にバックアタックを打つ強力な選手がいないようであればこちらのブロッカー3人で相手アタッカー2枚を重点的にマークすることが可能になるので特に効果的に機能する声かけです。
ぜひ味方がサーブを打つ前には確認して声かけをするようにしましょう。
「セッター前!」「ツーあるよ!」
これは、相手セッターの位置を共有するときの声かけです。
ひとつ前の内容と少し重なりますがセッターが前(=前衛)の場合は必然的に前衛のアタッカーは2枚となるので、それを確認するために使います。
その際にもう1つ注意すべきことが、セッターの”ツーアタック”です。”ツーアタック”とは、セッターが味方からのレセプションをそのままトスにせずに打つ、もしくは押し込む攻撃のことです。
セッターが前衛にいるときはこの”ツーアタック”の可能性があるので「ツーあるよ!」という声かけをすることで味方に注意喚起すると同時に相手セッターに「警戒してるからやっても決まらないぞ!」とプレッシャーをかける声かけです。
「○番マーク!」
これは相手のマークすべき選手を共有するときの声かけで、一番打ってきそうな選手や決定率の高い選手をみんなで共有して警戒するために使います。
これは相手チームによって1人の場合もありますし2人の場合もありますが、とにかく危険な選手をみんなで(特にブロッカーが)共有しておくことで守備の意識を高めてディフェンス効果率を上げるという目的があります。
「クイック多いよ!」「バックなし!」
これはローテーションごとの相手セッターの配球(どこに上げるのか)の特徴を共有するときの声かけです。
上記は一例ですが、セッターの傾向を事前に共有することでトスの上がる確率の高い攻撃に対して全員で警戒を強めるために使います。
これを言われるとセッターも心理的に言われたところに上げにくくなったりもしますよね。ということで割と効果的です。
「1!」「5!」「○○!」など
これは味方が狙っているサーブゾーンを共有するときの声かけです。
細かな戦術を用いて戦うレベルになるとコートを6または9分割してその場所を狙ってサーブを打つということや、狙う選手の名前や背番号を共有したりもします。(試合前に決めておくことがほとんどですが、試合中の相手選手の調子などを踏まえて変更になる場合もあります)
これは単純にレセプションの苦手な選手を狙って崩したいということもありますが、サーブの行く場所が予め分かっていることでその後の展開がイメージしやすくなり守備がしやすくなるからという理由もあります。(その他にも「スクリーン」等。色々あります)
これは相手にバレないように事前にローテーションごとに決めておいたり、サーバーがその都度近くにいる選手に伝えてそれを聞いた選手が前衛の選手に伝えるというようなやり方をします。
「ワンチケア!」「フェイントケア!」
これはどんなボールを警戒すべきなのかを共有するときの声かけです。
「ワンチケア!」というのは味方ブロッカーがワンタッチしてくれたボールを必ず繋ごう!という声かけです。
味方ブロックの効果が高い場合には強打よりも確実に足を動かしてワンタッチしたボールをとりに行く戦術をとることもあり、そんなときに全員で意識を強めるためにも必要な声かけです。
「フェイントケア!」は自分たちのフェイントへの意識を強める目的以外にも前述の「ツーあるよ!」と同じように、「フェイントをしても決まらないぞ!」と相手にプレッシャーをかける意味でも使う声かけです。

バレーボールでは「これに気をつけようぜ!」というときに「◯◯ケア!」という言い方を使うので覚えておきましょう。
声かけができない理由
ここまでコート上で必要な声かけについて解説して来たので、だいぶ理解が深まっていると思います。
とはいえ「必要性は分かったんだけど、なかなか声が出せないんだよな・・・」という人もいると思います。ではなぜ声かけができないのか。
ここでは「声が出せない理由」や「声かけができない理由」について解説します。
理由は下記の2つです。
ポイント
- 息を止めてしまっている
- 恥ずかしさや不安がある
1つ目の「息を止めてしまっている」ですが、人は必死になりすぎているときや驚いたときには息が止まった状態になりやすいです。
一生懸命ボールを追っているときほどこの状態になっていることが多く、ゆえに声が出せないという理由です。
2つ目の「恥ずかしさや不安がある」について。
これは小中学生にありがちですが「なんか恥ずかしいな・・・」とか「間違えたらどうしよう・・・」とかそんな気持ちが邪魔をしているパターンですね。
何を隠そう僕もこのタイプ出身なのでお気持ちお察ししますが、そのままだとこの先困るので何とかしたいところですよね。
解決策は人によって違うというのが正解かもしれませんが、次のパートで多くの場合当てはまるであろう解決策について解説します。
声かけができるようになる方法
ここではひとつ前のパートで挙げた2つの理由について解決策を解説します。
「息を止めてしまっている」場合の解決策
息を止めてしまっているのは必死になりすぎているときでしたね。
ではこの必死になりすぎて息を止めてしまっている状態の真逆を考えてみてください。これを考えることで解決策が見えてきます。一体どんな状態でしょうか。
必死になっていなくて、普通に呼吸をしている状態ですね。そうです!つまり”リラックスしている状態”です。
ということは、呼吸を止めないで常にリラックスしてプレーすることを意識してあげることで段々と声が出せるようになってくるのです。

理由がわかれば対策を考えて実践するのみです!
「恥ずかしさや不安がある」場合の解決策
次に問題の「なんか恥ずかしいな・・・」とか「間違えたらどうしよう・・・」とか、そんな気持ちがある場合です。
まずは「恥ずかしい」について。
こんな場合はそもそも普段の友達同士での会話の中で自分から話すということを意識してみると良いです。
「いや、それとこれとは話が別やがな!」と思いそうですが、普段からなるべく自分から話すようにすることで「自分は自分の意思を自ら伝えられる人間だ」という意識が自分の中に生まれます。
自分の意思を伝えることに抵抗がなくなることで恥ずかしいと思うことが減っていき、少しずつかもしれませんがみんなの前でも「声を出すこと」ができるようになってきます。
まずは小さな一歩から踏み出してみてください(^^)
次に「不安がある」について。これの解決策は仲間を批判しないことです。
その理由は「不安がある人」が恐れているのは多くの場合周りからの批判や反発なので、普段から自分が仲間がした声かけの間違いなどを批判しないことで自分も批判されにくくなるから。
例えば「あなたの意見は絶対に批判されることはありませんしみんな快く理解してくれます。」と言われたとします。少し怖さがなくなり「それなら思ってることを言ってみようかな」という気持ちになりませんか?
人って、嫌なことをされたら「仕返ししてやろう」って思う生き物です。(あれ?僕が性格悪いだけでしょうか汗)
逆にありがたいことをしてもらったら「今度は何かお返ししてあげよう」って思う気がします。(僕が性格が良すぎるのでしょうか・・・違いますよね笑)
話を戻しますが、自分が批判されにくい状況を普段から自分でつくっておくことで批判される不安を最小限にすることができ、結果として積極的に声が出せるようになります。
ここでよく部活動で人間関係が悪化するあるあるパターンを1つだけ紹介します。
例.)Aさんにサーブが飛んできている場面でBさんが「アウト!」とジャッジをしたが、結果「イン」だったような場合に、AさんがBさんをにらんだり「間違ってるじゃないか!」などと責めてしまうパターン。
この場合Bさんの声かけは結果としては間違っていましたが、Aさんに対しての声かけは”最大限のサポート”であり間違いはなく大正解です。
にも関わらず批判的な態度を取ってしまうと次にAさんが声かけを間違えたときにはあら大変!体育館ごとえらい空気に包まれます・・・
ので、気をつけましょう!

チームメイトは共に勝利を目指す仲間なので普段から批判のない良いコミュニケーションが取れるように努力しましょう!
まとめ
バレーボールにおいて必要な声かけができるということはとても重要で、声の役割は下記の通りたくさんあるということを解説しました。
声かけの役割
- 自分の意思を伝える
- 自分のテンションを上げる
- チームを盛り上げる
- 戦術を確認する
- 怪我を防止する
そして、実際にコート上で必要な声かけについて下記の通り10個ピックアップて解説しました。
コート上で必要な声かけ10選
- 誰がボールをとるかの声かけ
- ラインジャッジの声かけ
- 味方を動かす声かけ
- 自分の状態を知らせる声かけ
- 相手サーブ時の声かけ
- ねぎらいの声かけ
- 仲間を勇気づける声かけ
- 連携を高める声かけ
- アタッカーをサポートする声かけ
- 味方サーブ時の声かけ
内容としては味方をサポートする声かけやチームで戦術や警戒している事などを共有するための声かけが必要ということを解説してきました。
最後に、声が出せないと悩んでいる人に向けて、声が出せない理由とその解決方法を解説しました。
「リラックスすること」や「仲間を批判しないこと」が大切でした。
これでも必要な声かけについてすべてをピックアップできた訳ではありません。
恐らく半分くらいですが、とてもボリュームの多い記事になりました。それだけ声かけは重要ということです。
この記事で解説した声かけを少しずつ使えるようになることでボールがよく繋がるようになりますし連携の精度も上がるので、試合に勝てる確率が格段に上がります。
↑2009年東アジア競技大会銀メダル獲得時の僕。
僕の最高の思い出のひとつです♪
やっぱり試合で勝って、上の写真のようにチームメイトと喜べたら最高ですよね!

少し難しい内容も多かったかもしれませんが、焦らずにまずは自分がされて助かる声かけや嬉しい声かけを積極的にしていきましょう!
2022年12月より日テレさんが運営する『ドリームコーチング』内にてバレーボールコーチ登録をしました。
関東県内限定となりますが、こちらからお申し込みをいただきましたら僕がお伺いさせていただいて直接バレーボールの指導をさせていただきます。
バレーボールのスキルアップにぜひご活用ください!