- 相手のボールに全然反応できない・・・
- 素早く動き出すコツってあるの?
- 素早く反応して守備範囲の広い選手になりたい!
こんな悩みを抱えていませんか?
バレーボールは「ボールを落とすと相手に得点されてしまうスポーツ」なので、相手から出たボールに対して素早く反応をして動かなければならない場面がとても多いです。
また、ボールが360度どこに飛んでいくかが分からないので、どの方向に対しても素早く反応して動き出せる能力が重要です。
僕は50m走であれば5秒台で走ることができましたが、直線をただ走るのと「反応して動き出す」というのは別物でして、反応して素早く動き出すことに関してはあまり得意な方ではなかったので、間に合うであろうボールを何度も何度も落としまくってきました。汗
最初はそんな感じでしたが、この記事の内容を頭に入れて実践してから人のボールも横取りできるくらいの素早い動き出しを身に付けることができました。(横取りはしませんが!笑)
この記事を読むことであなたも周りの選手よりも少しだけ素早く反応して動き出すことができるようになれるはず。
知ってるのと知らないのとでは後々大きな差がつくと思いますし、一度身につけてしまえばこの先ずっと使えますから、損をしないためにもぜひ最後まで読んで実践してください。
2022年12月より日テレさんが運営する「ドリームコーチング」にて、バレーボールの出張指導を始めました!ぜひご利用ください(^^)
素早く反応するための構え方
結論から言いますと、素早く反応するための構えとは「パワーポジション」です。
人がもっている力を最も出しやすい構え方のことをパワーポジションと呼びます。
バレーボール以外だとテニス選手の構え方なんかがイメージしやすいのではないでしょうか。
下の画像を見てください。

手前が僕ですが、この構えがパワーポジションです。
ちなみにこれはタイで開催されたビーチバレーボールのアジアツアー参戦時の僕(手前のオレンジのレシーバー)の写真です。
どのスポーツにおいても素早く反応して動き出す技術というのは大切なので、色々な場所で見た覚えがある構え方ではないでしょうか。
では、ここからその超優秀であろう「パワーポジション」が一体どんな姿勢なのか、少し細かく解説します。
パワーポジションの構え方のポイントは下記の通りです。
構え方のポイント
- 足幅を肩幅より少し広くとる
- 膝を少し曲げる
- つま先と膝と肩の位置を一直線にする
- 背中を丸めず胸を起こす
順番に詳しく解説していきます。
足幅を肩幅より少し広くとる
これまでの経験でなんとなく自分でも分かっているかもしれまでんが、足の幅は肩幅より少し広いくらいのスタンスが一番素早く反応して動き出せるとされています。
スタンスって?
足幅のことをよく「足のスタンス」と言ったりもします。つまり足をどれくらい開いているかということです。
「足のスタンスが狭すぎるよ!」とアドバイスを受けたら足の幅をもう少し開いてみるといった感じで使う言葉です。覚えておきましょう!

「自分の構えの足幅は肩幅くらいかも。。」という人はもう少し足幅を広げてみましょう!
膝を少し曲げる
膝を少し曲げるというのは直感的に理解できる部分かと思います。
膝が伸びている状態で素早く反応して動き出すのは難しいですし、膝を深く曲げすぎた姿勢からもまた動き出しにくいですよね。
パワーポジションにおいて、膝の角度はおおむね120度くらいが良いとされています。
ですが、人によって動き出しやすい膝の曲げ具合(角度)は違うので「絶対にこの角度で曲げて!」ということはないです。
また、バレーボールではレシーブで相手スパイクに対して反応する場合もあれば、ブロックで相手セッターのトスに反応していく場合もありますので、場面に応じて膝の曲げ具合は柔軟に変えていくことが重要です。

色々な場面を想像して、その場面ごとに自分が一番素早く反応できる膝の角度を探してみましょう!
つま先と膝と肩の位置を一直線にする
下の画像を見てください。

つま先と膝と肩の縦のラインがほぼ同じになっているのがわかるでしょうか。ここの意味する内容はつまり「前傾姿勢」ということです。
素早く反応して動き出したい場合にはやや前傾姿勢であることが重要ということになります。
(写真はトレーニング中なのでセノー社の「ストループス」という商品を膝上に巻いていますがそこは無視してください)

練習の準備する前にアンテナ(まっすぐなので)を使って仲間と姿勢づくりをするのもオススメです!
背中を丸めず胸を起こす

はい、こんな感じです。いい感じに背筋が伸びていますね!パワーポジションではこの「背筋を伸ばした姿勢が重要!」なんです。
あとで解説しますが、背中が丸まってしまったり身体が左右に傾いてしまうと床から受けた力を全身にうまく伝えることができなくなってしまい、そうなってしまうと素早く反応して動き出すことができなくなってしまいます。

バレーボールでは常に身体をボールの正面に向けること、そして瞬時にこのパワーポジションをとれるということがとても重要です。
素早く反応してボールを取るためには?
パワーポジションについて細かめにその姿勢を見てきましたが、ひとつだけバレーボーラーがここまで解説してきたパワーポジションに付け加えておいた方が良いことがあります。
それは、脇をしめて手を胸の高さに置くということです。
この記事のテーマは「素早く反応して動き出す」ことですが、バレーボールでは構えている場所にボールが飛んで来ることももちろんありますよね?
その場合に手を胸の高さに置いておくことで上に来たボールにはオーバーで対応し、下に来たボールにはアンダーで対応することが可能です。
また、その際に脇もしめた姿勢をとっておくことで肘の位置を大きく動かすことなく対応できちゃいます。

脇をしめることで腕を振りやすくなってより素早い動き出しも可能になりますし、スピードを上げることもできます!
素早く反応するためのステップ=スプリットステップ
ここではスプリットステップというステップについて解説していきます。
ひとつ前に解説した「パワーポジションを取りつつこのステップを使うことでよりボールに素早く反応することができるようになるステップ」といったイメージでOKです。
では実際にどんなステップなのか解説します。
スプリットステップのやり方
スプリットステップとは軽くジャンプをすることで着地する際に床から反動を得るためのステップで、その反動の力の分だけ強く床を蹴ることができ、その結果として素早く反応して動き出すことが可能になります。
一番分かりやすいのはテニスだと相手のサーブを受ける側の選手が使っているステップがスプリットステップで、相手がサーブを打った瞬間に着地して地面からの反動を利用してボールに反応して動き出しています。
反動って何?と言うと運動学の領域に深入りして分かりづらくなってしまうと思うので、簡単に「反動は床からもらうパワー」だと思ってください。
なので、このスプリットステップを踏まない場合はこの床からのパワーをもらえていない状態なので動き出しのスピードは少し遅くなると考えてください。
スプリットステップのジャンプの高さ
ひとつ前のパートで着地で床からパワーをもらうと解説したので、こんな疑問をもったかもしれません。
「であれば高く跳んだ方が強いパワーをもらって素早く反応できるはず。なのにテニス選手は高く跳んでないぞ?」
確かにそれは間違いではないのですが、これについては「素早く反応するのは相手からボールが出てから」ということを考えてみると腑に落ちるかなと思います。
相手からボールが出た瞬間(=直後)に着地して動き出そうとした場合、この”相手からボールが出る瞬間”に自分の着地のタイミングを合わせなければなりませんよね?
そう考えた場合、”高く跳ぶ=かなり早く跳ぶ”ことになるので相手からボールが出るタイミングに自分の着地を合わせることが難しい。
これがスプリットステップで多くの場合ダイナミックに大きく跳ぶものにはならないことの理由です。
スプリットステップを使うべき場面
バレーボール界では実はあまりこのスプリットステップについて言及されていないのが現状なのかなという印象がありますがバレーボールにおいてスプリットステップは超重要。
ここではバレーボールの反応が求められる代表的な場面ついて解説をします。
レセプション時
念のために説明しておくと、レセプションとはサーブレシーブのことです。
レセプションでは相手が打ったサーブに対して素早く反応してボールに身体を寄せていくことが求められます。
レセプションではサーバーがトスを上げてから打つまでの相手の動きは予想ができるので打つ瞬間が分かりやすくタイミングが合わせやすいので、前半で紹介したパワーポジションの姿勢をしっかり取りつつリラックスした状態で軽く跳んで床を踏むイメージでOKです。
ディグ時
念のために説明しておくと、ディグとはスパイクレシーブのことです。
ディグでは相手が打ったスパイクを上にあげることが最優先となりますが、フェイントや味方ブロックに当たったボールに対しては素早く反応してボールに身体を寄せていくことが求められます。
優先度の高い鋭角に打ち落とされるスパイクを上げるために、通常よりも低い姿勢で構えた状態から細かくスプリットステップを踏むことが求められます。
とはいえディグに関してはポジションだったりチームの戦術によってとるべきボールの優先順位が変わってくるので、その都度最適なスプリットステップを踏む必要があると理解しておいてください。
ブロック時
ブロックでは、相手セッターから出されたボールに対して素早く反応しなければなりません。
基本的に横移動をすることになるので、足のスタンス(足幅)を通常時よりもやや広めにした状態でスプリットステップを踏んで素早く反応したいところです。
しかし、相手のクイック攻撃に素早く対応できなくなってしまうというデメリットもあったりするのでこれも臨機応変な対応が求められます。
まとめ
今回はボールに対して反応して素早く動き出すための構え方について解説をしました。
結論としてはまずはパワーポジションをとることが重要で、さらにスプリットステップを踏み床からの反動を使うことでより素早く反応することができるということでした。
パワーポジションとは下記の特徴がある構え方のことでした。
構え方のポイント
- 足幅を肩幅より少し広くとる
- 膝を少し曲げる
- つま先と膝と肩の位置を一直線にする
- 背中を丸めず胸を起こす
また、スプリットステップは簡単にいうと「軽く跳んで着地で床からの反動を使う」ステップで、バレーボールにおいては下記の場面でよく使うということを解説しました。
スプリットステップを使う場面
- 足幅を肩幅より少し広くとる
- 膝を少し曲げる
- つま先と膝と肩の位置を一直線にする
- 背中を丸めず胸を起こす
上記の場面では、毎回同じようにスプリットステップを踏むのが正解ということではなく、状況に合わせて臨機応変にステップを踏むことが重要ということも解説しました。
最後になりますがタイトルの【○○○も重要】気になりませんか?(忘れてました?笑)
ここに入る言葉は「前重心」です。
素早く反応して動き出すためには構えたときに重心を前側に置いておくことが大切です。
前重心にしておくことで足の裏の母指球に体重が乗り素早く床を蹴ることができるので、結果として最も早い動き出しが可能になります。

あなたが正しい構え方(=パワーポジション)をステップ(=スプリットステップ)をマスターして、素早く反応して動き出せるようになってくれたら嬉しいです(^^)
2022年12月より日テレさんが運営する『ドリームコーチング』内にてバレーボールコーチ登録をしました。
関東県内限定となりますが、こちらからお申し込みをいただきましたら僕がお伺いさせていただいて直接バレーボールの指導をさせていただきます。
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