- 自分のイメージ通りのトスが来なかったときに全然スパイクが打てない・・・
- 体勢が悪くなってしまったときってどうすればいいの?
- セッターをカバーできるアタッカーになりたい!
こんな風に思っていませんか?
スパイクを打つときに「よっしゃ完璧イメージ通りだぜ!」っていうことはほとんどないのではないでしょうか。それもそのはずで、いくら1本目のパスが良くても初心者の段階で毎回質の良いトスを上げるのはかなり難しいからですね。
ということは、アタッカーにはイメージ通りでないボールに対してうまく対処する能力が求められるわけです。「いやいやそう簡単に言われても・・・」ですよね。この悩みは僕も通ってきているのでよくわかります。
初心者の頃は自分のイメージと違うトスが来たらほぼミスをしてましたね。良くてコートには返せるというくらいでした。
ですが、そんな僕でもVリーグで7シーズンプレーし、日本代表のオポジット(攻撃専門と言われるポジション)で3年間プレーした経験があります。
そんな僕が「このトスは厳しいな」と感じた場合にどういった選択肢の中から選んで対処することで得点を決めてきたのかについて解説します。
先にお伝えすると、この記事の内容はいわゆる「ナイストスがきた時にはバッチリ打てる」というのが前提になっているので、中級者以上のレベルになっています。
ですので、まだスパイクが打てるようになってないという場合は「うまくなったらそんな風に考えて打つんだな」という感覚で今から頭に入れておくのも良いと思います。さっそく解説します。
【公式】スポーツ用品総合通販ならスーパースポーツゼビオ良い体勢でスパイクが打てないときの対処法
良い体勢でスパイクが打てない場面で一番やってはいけないことががむしゃらに打ってブロックをされてしまうことだったり、ネットにかけてしまうだったりアウトにしてしまうというようにミスにしてしまうことです。
そういった状況を避けるためには、そういった場面に遭遇したときの正しい考え方と選択肢を日頃からもっておくことが重要です。
さっそく具体的に代表的な5つの選択肢を挙げます。
- フェイント
- ハーフショット
- プッシュ
- ブロックアウト
- リバウンド
上の通りですね。それぞれ詳しく解説していきます。
フェイント
通常、「自分の体勢が良いときにバシッと打つフリをしてからボールをフワッと手で押して相手コートに返す」のがフェイントの一番効果的な使い方なわけですが、この技術は自分の体勢が悪い状況であってもまだまだ有効な技術です。
それはフェイントは「強打を打ってくる」と相手に思わせることができていればどんな状況であっても有効な手段だからです。
つまり、自分の体勢が悪いときであっても(たとえ無理だ〜打てない〜と心の中で思っていても)思いっきり打ちに行くぞっていう動作を入れることでこのフェイントで得点がとれるのです。
ただ「返すよ〜」っていう動作でそのままボールを返そうとしてしまうと、もうどこにも「フェイント」の要素はないですよね?
こうなってしまうと相手には強打が来ないことが丸わかりとなりまして、楽に構えられて簡単に処理されてしまいます。
当然、失点をすることになるでしょう。
ハーフショット
次の技術はフェイントとかなり似ていますが、フェイントの「ボールをフワッと手で押して」という部分が「ボールにドライブをかけて軽く打つ」に変わります。
この技術のメリットは、フェイントよりも早く相手コートに落ちてくれるので、相手レシーバーに拾われにくいという部分で、デメリットはフェイントよりもボールタッチが繊細な分、難しいのでミスの可能性が高まるというところでしょう。
練習で一定の成功率が出せるようになるまでは使うのになかなか勇気がいりますが、積極的に練習して身につけておくことで、「フェイントでは拾われそう」という場面で選択することができます。
強く打つフリは必ず入れてくださいね!
プッシュ
これは高い打点からボールを文字通り「押す」ことで相手コートに押し込む技術です。
相手のディフェンスシステムにもよりますが、多くのチームはコート中央にスペースができることから、相手コート中央に押し込むような選択をするケースが多いように感じます。
この技術は通常の強打を打つスパイクに比べると、大きく肩を後ろに引く動作を入れずにボールに触るので通常よりも早くボールに触れることができブロックが完成する前に早いタイミングでブロックの上を通過させることが可能です。
つまり、相手レシーバーの準備が整う前に落としにいくようなイメージです。持っておくと非常に役に立つ技術です。
ブロックアウト
これは文字通り相手ブロックに当ててコートの外へボールを飛ばすことで得点をとる技術です。
相手ブロッカーの手のどの位置に、どれくらいの強さで当てればボールが相手レシーバーたちが拾えない場所まで飛んでいってくれるのかを考えて的確にボールをコントロールしないといけない技術です。
そういった意味でハーフショット同様にフェイントより少し難しい技術ではありますが、得点を取るためにかなり有効な選択肢のひとつです。
ブロックアウトについて細かく解説をするとすると1記事分以上の文章量が必要なので詳細に関してはまた別の機会に解説をしたいいと思いますが、ブロックアウトで狙うのは大まかには下の3種類です。
- ストレート側へ弾き出す
- クロス側へ弾き出す
- 奥へ弾き出す
こんな感じです。この中で、場面に応じて狙いやすい(最も得点できそうな)方向に出しにいくイメージです。
相手ブロッカーの特徴を前もって頭に入れておくと余裕をもってブロックアウトを狙えますよ!
リバウンド
最後に最強のリバウンド。リバウンドとは、相手ブロッカーに軽く当てて自コート側にボールを戻して自分で拾うという技術です。
自分で拾わずにカバーに入っている仲間に拾ってもらうこともありますが、ボールが自分たちのコートにあるので、もう一度攻撃をする権利が得られる(しかも体勢を立て直して)のが僕が最強と言っている理由です。
体勢を立て直してベストな体勢でスパイクが打てるわけなので、リバウンドの段階がうまくいきさえすれば今回挙げた5つの技術の中で最も得点できる可能性が高い技術であると言えるからです。
ここで、リバウンドを成功させるためのポイントも解説しておきます。
- しっかりと強打を打つふりをする →相手ブロックを固める
- 弱く打つ →跳ね返ってくるボールも遅くなるのでとりやすい
- ドライブをかける →跳ね返ってくるボールが上方向に行くのでとりやすい
- やや上方向に打つ →跳ね返ってくるボールが上方向に行くのでとりやすい
書き出したら意外とポイントが多かったですが、こんな感じです。
というわけでリバウンドも決して簡単な技術ではありませんが、できるようになるとかなりプレーの幅が広がりチームを助けることができますので、身につけて選択肢にひとつにしておけるとかなり有効です。
体勢が崩れる場面とは?
ここで、実際に良い体勢でスパイクが打てない場面とはどんな場面のことなのかを整理してみましょう。
これについては冒頭でも書いていますが「自分のイメージと違うトスがきた」というような場面がその多くを占めるかと思います。
具体的には下のような状況が考えられます。
2.トスが長いとき
3.トスが低いとき
4.トスが割れてきたとき
こんな感じですね。
ただ、「トスが短い」ひとつとっても、短くて低いのか、それとも高いのか。はたまたネットから近いのか、それとも遠いのか。などによってベストな対処法は変わるので、状況に合わせて選択して欲しいところです。
細かく解説すると1記事どころか1冊の本が書けると思うのでそのうち出版したいと思いますが、ケーススタディとして1例だけ紹介したいと思います。
ここではブロックの脇を強打で打ち抜くのが難しいという前提でサイドアタッカーをイメージしてください。
まずトスが短いときはアタッカーはコート内側に向かって助走をとります。
つまり、相手ブロッカーを視界に入れた状態でボールに向かっていくことができるため、比較的状況判断はしやすい状態でボールに触ることができる状況と言えます。
トスが低い状況なのでフェイントをすれば上に浮かせることになる為、拾われそうです。
またネットに近いことで手にしっかりと乗せてドライブ回転をかけたり、打ってブロックの上を超えることは困難なのでハーフショットも難しいでしょう。また、トスが低いので既にボールの前にブロックがあるのでプッシュで返すのも困難です。
相手ブロッカーに当てて外に出したいところですが、ネットに近くて低いような場合はブロッカーがしっかりとボールを囲めるため、強く打つことでそのままブロックされてしまうリスクも高いですし、コートの外に弾き飛ばすのも難しいでしょう。
残ったのはリバウンド。そうです、ここではリバウンドが最適解だと考えられます。
その理由は、ひとつ前で書いていますが「トスがネットに近くて低いような場合はブロッカーがしっかりとボールを囲める」ため、ボールのすぐ前にブロッカーの手があるはずでなので、自分がボールを少し押してあげるだけで相手ブロッカーの手と自分の手でボールを挟む状態とすることができます。
そして挟んだ瞬間にこちらが先に力を抜くことでボールはこちらのコートへ返ってきます。これをうまくコントロールしてまたセッターに返球することで攻撃をやり直すことが可能になります。
[st-kaiwa1]場面に応じて最適な技術を選択できるアタッカーになるには、自分で常に考えて紅白戦や練習試合などでトライして経験を積むことが大切だということです。[/st-kaiwa1]
良い体勢でスパイクを打つために装備すべき能力
↑着用ウェア:ONEVEC
この記事のテーマは「良い体勢で打てないときの対処法」なので前章までで終わりでもいいのですが、できることなら良い体勢で打ちたいよねってことで、おまけにできる限り良い体勢でスパイクを打つための考え方や必要な能力についても触れておきます。
高速フットワークでトスに間に合わせる
イメージ通りのトスが来なくて「良い体勢でスパイクが打てないかも」と思ったとしても、そこから良い体勢で打つ努力は必要でしょう。その努力の最たるものがこの「高速フットワークで間に合わせる」能力です。
これは、トスが低かったりずれてしまった時にそのズレたボールに対して素早く助走で駆け寄ることで、まるで何事もなかったかのようにスパイクを打ち込める体勢までもっていく能力です。
実は僕はこれが得意なんですよ。なので、セッターがミスをしたボールも多少のミスであれば全然問題なく得点を取ることができます。
この能力を身につける方法は下の記事で詳しく解説してい流ので、ぜひ読んでみてください。
>>【バレーボール】素早く反応するための構え方とステップを徹底解説【○○○も重要】
最適な助走を選択する
次に、今回の例だとトスが割れた(ネットから離れた)ときに一番関係してくる部分の技術なのですが、最適な助走を選ぶ技術も身につけておきたい技術です。
これは、トスが割れたら助走距離が十分にはとれないので、1歩助走だったり2歩助走だったりで踏み込んでスパイクを打つといった臨機応変な対応をできるようになろうということです。
これについては下の2つの記事で詳しく解説しています。
>>【バレーボール】スパイク助走は何種類?助走で一番大事なのは○○!
>>【バレーボール】スパイクの「かぶる」原因と99%かぶらない方法を伝授
[st-kaiwa1]こうした能力を練習のときから磨いておくことで、相手から嫌がられる選手になれますよ![/st-kaiwa1]
まとめ
良い体勢でスパイクが打てない場面で一番やってはいけないことが、がむしゃらに打ってブロックをされてしまうことだったり、ネットにかける、アウトにしてしまうというように直接失点になってしまうミスにしてしまうことでしたね。
そうならないための対処法として下の5つの技術を紹介しました。
・ハーフショット
・プッシュ
・ブロックアウト
・リバウンド
これらの技術を使い分けることで、ピンチの時に失点をすることなく対応することが可能になります。
また、どんな場合に体勢が崩れるのかについても具体的に示しつつ、ケーススタディで一例を出して解説しました。
トスが乱れるといっても色々な乱れ方があること、また相手ブロッカーや相手のディフェンスシステムによっても最適な対処法は変わってくるので、自分で常に考えて紅白戦や練習試合などでトライして経験を積むことが大切だというお話をしました。
最後に良い体勢でスパイクを打つために身につけておくべき能力についても解説しました。
フットワークや助走について触れましたが、ここで一番伝えたかったのはスパイカーたるものセッターを最大限カバーしてあげよう!です。
個人やチームとして結果を出すために、この記事の内容を知識として上手に使ってもらえると嬉しいです。
スパイクがまだそこまで打てないんだよなという場合は、下の記事でスパイクについて手順ごとに詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください。
>>【完全保存版】元日本代表がスパイクの打ち方の基本とコツを徹底解説!
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